こんにちは。フリーのWebライターとして活動している伊藤です。
「会社勤めが合わない。もっと自由に働きたい」
そんな思いから、ノマドワーカーという働き方に憧れた私は、バックパッカー中にはじめたブログをきっかけに「ライター」として生きる決意を固めました。
帰国後、旅行媒体に営業をかけ駆け出しライターとして奔走するものの、多くて月収10万円……。理想とするノマド生活からは程遠い収入です。
そこからどうやって収入を安定させ、念願だったタイ移住までたどり着いたのか。
そして、その先で何が待っていたのか……。
後編は、ノマドワーカーとして自立し、食べていけるようになるまでのお話です。
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食べるために、自分のメディアを立ち上げる
目をつけたのはアフィリエイト
ライター業の収入だけでは、好きな場所で、お金の心配なく暮らす理想の生活は叶いません。
ですが、記事を書くうちに、昔は理解できなかったメディアの収益構造が、少しずつ見えはじめていました。
そこで目をつけたのが、アフィリエイトでした。自分のブログで企業の商品やサービスを紹介し、読者がそのリンクから購入や申し込みをすると、報酬が入る仕組みです。
ライターとして商品を言葉で売る作業は、すでに毎日やっていること。
これまのでの経験と今のライティングスキルがあれば、自分にもできるかもしれない。そう考えて、自分のメディアを立ち上げました。これが、いま筆者が運営するタイ旅行情報ブログ「タイ一択」の始まりです。
収入を安定させたのはSEOだった
「タイ一択」のメディア運営で、収入の要となったのが「SEO」です。
SEOとは、特定のキーワードで検索上位に記事を表示させ、継続的に読者を集める仕組みのこと。ライター業をこなす中で、旅行媒体の編集部から効果的なキーワードの選び方や記事の書き方を教わり、自然と身につけていきました。
前に触れたアフィリエイトは、リンク経由で商品が売れて初めて報酬になります。
つまり、記事を読む人が多いほど、売れる可能性も上がる。そしてSEOは、その「読む人」を検索から連れてくる方法です。
検索で上位に立てば、24時間、何もしなくても記事に人が集まり続ける。集まった人の何割かがリンクから商品を買う。
SEOとアフィリエイト、この2つが噛み合った瞬間、収入は一気に安定しました。
当時は、狙ったキーワードで1位を取るだけで、平均で100万円を超える報酬が毎月自動で振り込まれる。そんな世界でした。(今では夢のような話です……)
この技術を自分のメディアに注ぎ込み、旅行媒体でのライター業はむしろ副業のような感覚に変わります。
「とにかく収入が必要」という最初の課題は、こうしてクリアできました。
メディアの運営+ライター業の両立で、収入が一気にアップ!
しかも、アフィリエイトで稼いだ事実は、そのまま実績になります。
「この人は、文章でものを売れる」
それを数字で証明できる書き手は、ライターとしても仕事を取りやすい。稼いだ実績が、次の仕事を連れてくる状態になったのです。
こうして、収入の土台が固まりました。毎月安定して稼げる仕組みと、どこでも通用する書き手としての実績。
この2つが揃ったとき、ずっと頭の片隅にあったタイ移住が、はっきりと現実味を帯びてきたのです。
ついに憧れの海外移住を叶える!しかし……
バンコクの摩天楼に、夢を見た
こうして筆者は、ついに思い描いていたノマドライフを実現します。
バックパッカー時代から気に入って何度も訪れたタイでアパートを借り、ノマドワーカーとして新しい人生を歩みはじめる。
あのときのワクワクは、今でも鮮明に覚えています。
屋台から漂うスパイスの香り。夜の街を流れる、渋滞のテールランプの帯。道端の野良犬でさえ、自分と同じように自由を手にした一匹に見えました。
世界はこんなに美しいのか。
そう実感したことを、はっきり覚えています。バンコクの高層ビル群さえ、当時の筆者には摩天楼でした。映画のワンシーンに迷い込んだような感覚だったのです。
ですが、人生の面白いところは、ここからでした。
こうした絶頂は、長くは続きません。
ノマドを目指すなら、この先の教訓こそ、覚えておいてほしいのです。
パンデミックで収入が一瞬にゼロになった
収入が増えすっかり天狗になっていた私に、人生最大の試練が訪れます。
そう、コロナによるパンデミックです。
当時、ライター活動を旅行系のメディアと発信にほぼ全振りしていました。そして最大の打撃を受けたのがまさにこの旅行ジャンルです。
自分のメディアのアクセスが急降下し、広告主もすべて撤退。
ライター業も軒並み打ち切られ、収入が「ゼロ」になりました。
ですが、一番こたえたのは、収入が消えたことではありません。
「自分が積み上げてきたものは、こんなにあっさり需要を失う、その程度のものだったのか」と……。
人生そのものを否定された気がしました。
コロナは、たしかに特殊な例です。
ですが、ノマドはフリーランスとして企業から仕事をもらうのが基本。要らなくなれば、いつでも切られます。誰も助けてはくれません。
幸い、筆者には数年は持ちこたえられる蓄えがありました。それでも、ノマドの厳しさを、このとき初めて身に染みて思い知ります。
その後は、拠点であるタイのコロナ禍の様子を伝える方向に切り替え、需要が戻るまで細々と食いつなぎました。
旅行需要の回復とともに収入も戻りましたが、ノマドにこうした災害は常につきまといます。それだけは、覚えておいてください。
完全移住ではなく、片足を日本に残す
コロナのとき、助けられたこともありました。
私の仕事は、クライアントも運営メディアもすべて日本。確定申告も事業所得もすべて円という形です。拠点はバンコクでも、事業の実態は日本にある。そのため持続化給付金の対象となり、これに救われました。
もっとも、日本に住民票や生活拠点の一部を残していたのは、給付金とは別の理由からです。
海外では医療費が高額になりやすいこと、日本のクライアントとの請求書やインボイス対応が絡むこと、NISAなど日本の制度を使い続けたいこと。こうした事情が重なっていました。
それに、ノマドのように国を転々とするなら、住民票はそう簡単に動かせません。
たとえばタイからベトナムへ、次はジョージアと、移すたびに手続きが発生します。
結果として、私のノマド生活は「完全な移住」ではなく、日本に生活基盤の一部を残したまま海外を拠点に長期滞在するスタイルに落ち着きました。
自由に動きたいノマドにとって、特定の国への完全移住が、必ずしも得とは限らないのです。
環境ではなく、行動が自分を変えた
「環境さえ変えれば、自分も変われる」そう信じて、日本を飛び出しました。
環境が人に刺激を与えるのは、確かに本当です。ですが、せっかく刺激を受けても、自分で動かなければ結局は元のまま。
本当に自分を変えたのは、環境そのものではなく、そこで踏み出した行動でした。
そこでノマドの本質を改めて考えると、自由になることや海外移住のイメージとは異なります。
今の自分にできることをどう収益に変えるか、そのためにどれだけ行動できるか、それが本質だと感じています。
失敗を恐れずに行動できるか、それが夢を叶える第一歩
私の場合は、それがたまたま「旅に出た経験」でした。それをお金に変えるためにブログをはじめ、何を書けば差別化できるかを常に考え、手探りで媒体に営業をかけてライターになり、稼げるかも未知数のまま自分でメディアを立ち上げ、アフィリエイトに挑戦しました。
「コスパ」「タイパ」という言葉がよく耳に入る今、割に合わない一歩には、余計に尻込みしてしまいます。
ですが、ノマドワーカーに近道はありません。
うまくいかなくても、誰のせいにもできない。その覚悟で手札を使い、失敗を恐れず一歩を踏み出すこと。
それが、10年かけて筆者がたどり着いた、ノマドワーカーになるために必要な心得だと思います。
この記事を書いた人
伊藤 良二
伊藤 良二
リゾートバイト歴は累計5年以上。全国10箇所で働きながら、海外を旅してきました。現在はタイに拠点を置き、WEBライターとして活動しています。勤務地の中でも特に温泉地が好きで、最も思い出に残っているのは城崎温泉です。
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